4.医師と企業求人
医師が活躍するフィールドは病院だけとは限りません。一般企業においても医師が活躍できるフィールドは広がっています。
医師免許を持ちながら企業で働くメリットは、病院勤務に比べ、時間的な余裕ができる、医局のしがらみがなく働ける、患者の急変対応の必要がなく自分のペースで働ける、当直がないため生活のリズムを守りやすい点等があげられます。
医師の企業求人は大きく分けると、企業の従業員の健康管理を行う産業医と、製薬会社で新薬開発に関わるメディカルドクターの二つに分かれます。それぞれの業務の特徴は下記の通りです。
■産業医
企業や工場で働く従業員の健康管理や簡易な治療を行う医師のこと。認定産業医資格が必要になる。常勤の専属産業医は少なく、嘱託の場合がほとんど。産業医をしながら別の病院でも勤務する掛け持ち医師が多い。
従業員が1000人以上の企業では専属産業医を置かなければならないという決まりがあるため、そのような企業で雇用される産業医は常勤で働くことになる。また、企業に属しているため、就業時間や福利厚生などは就業する企業の規則が適用される。基本的には残業がほとんどないため、病院勤務と比較するとゆったりと勤務できる。ただし、その企業の健康管理を一手に引き受けることとなるため病院勤務の医師と比較して責任が軽くなる訳ではない。
■メディカルドクター
製薬会社で新薬開発における医学的なアドバイスを行う医師のこと。多くの場合、臨床経験5年以上の経験豊富な医師が求められている。主な業務内容は治験で集まったデータの解析、厚生労働省へ提出する新薬開発に関わる文書作成など、病院勤務とは異なった業務をこなす事になる。メディカルドクターを求める企業は外資系製薬会社に多く、そのような企業では英文での文書作成能力に加え、英語のスピーキング能力も求められる。
産業医、メディカルドクター共に企業からの求人の絶対数が少なく、条件が良いため採用枠がすぐに埋まってしまうことも珍しくありません。医師として働きながら産業医やメディカルドクターの求人情報を集めていくのは現実的ではないため、企業への転職を検討している医師の方は、企業求人を豊富に取り扱う医師専門の人材紹介会社を上手く活用すると良いでしょう。